ネットワークの相談で実際にうかがう言葉と、私たちが最初に疑うところを並べました。心当たりのある行があれば、原因はほぼ絞れています。
夕方になると、ファイルサーバーが極端に遅い
FIRST SUSPECT途中に100Mbpsのままのスイッチが1台混ざっていないか。全員の通信が細い1本に集まっていないか。回線ではなく社内側が原因のことが多い時間帯です。
会議室だとWi-Fiが切れる。席では平気なのに
FIRST SUSPECTアクセスポイント1台でフロア全体をまかなっていないか。コンクリート壁や金属ラックの裏へ電波を通そうとしていないか。置き場所と台数の設計の問題です。
ときどき全社で止まる。原因が分からないまま復旧する
FIRST SUSPECT誰かが足した小型ハブで配線が輪になっていないか(ループ障害)。ラベルのないケーブルが増えていると、切り分けに時間がかかります。
監視カメラを増やしたら、業務の通信が重くなった
FIRST SUSPECT録画の通信と業務の通信が同じ配線を共有していないか。VLANで分けるか、幹線を太くするかの判断になります。
移転先の図面をもらったが、LANの記載がない
FIRST SUSPECT情報コンセントの位置と数は、机の配置が決まるのと同時に決めておく必要があります。内装が終わってからでは、露出配線しか選べません。
セキュリティ対策の機器が入っているが、誰も中身を知らない
FIRST SUSPECTUTMのライセンスが切れていないか、ログを見る人がいるか。入れたまま放置だと、あるのに守れていない状態になります。
あと10人分の島を足したい。今のままで足せますか
FIRST SUSPECT上流のスイッチに空きポートがあるか、既存ラックからの距離が100mを超えないか。足せる余地があるかを先に確認します。
ネットワークは6つの段が直列につながった仕組みです。全体の速さは、一番遅い一段と同じになります。だから「回線を上位プランに替えたのに変わらない」ということが起こります。
外に出るときだけ効く段。社内どうしのファイル共有や社内サーバーの速さには関係しません。夕方だけ遅い場合は、接続方式(PPPoE)の混雑を疑います。
OUTBOUND ONLYすべての通信が必ず1回通る段。家庭用機器は同時接続数と処理能力で先に限界が来ます。UTMは検査をする分、機種の選定を誤ると、ここが最も遅い段になります。
SINGLE PATH島ごとのスイッチをまとめる段。ここが1Gbpsのままだと、島の中を10Gにしても意味がありません。段数を重ねたカスケード接続も遅延の原因になります。
1G / 10Gいちばん替えにくく、いちばん長く残る段。規格(Cat5e/Cat6/Cat6A)と距離、そして成端の丁寧さで上限が決まります。折れ・潰れ・無理な曲げは速度低下として現れます。
MAX 100m距離・壁・電波の重なりで実際の速さが大きく変わる段。台数を足しても、チャンネルが重なっていれば互いに待ち合うだけで速くなりません。
SHARED AIR古いパソコンの有線ポートが100Mbpsだったり、無線の子機が古い規格のままだったり。1台だけ遅い場合は、まずここを見ます。
PER DEVICE現地調査でやっているのは、この6段のうちどこが今いちばん遅いのかを特定する作業です。順番を飛ばして機器だけを新しくすると、費用をかけても体感は変わりません。
配線、無線、機器、回線。4本すべてを同じ会社が担当するので、境界での押し付け合いが起きません。必要な1本だけのご依頼も承ります。
配線は、この先10年以上そこに残ります。いちばん替えにくい段だからこそ、最初に余裕を持たせておくのが結局いちばん安く済みます。
機器から機器までの配線長は、規格上100mが上限です(機器につなぐパッチコードを含みます)。倉庫の奥、離れた棟、別階の端などで超える場合は、途中にスイッチを置くか、光配線とメディアコンバーターで延ばします。図面上の直線距離ではなく、天井裏や壁の中を通る実際の経路の長さで判断します。
新しく引く線をCat5eで節約しても、差額はわずかです。一方で、既存のCat5eがすべて無駄になるわけでもありません。配線試験で1本ずつ合否を確認し、使えるものは残して、足りない分だけ引き直す。これが移転や増床のときにいちばん効きます。
| 規格 | 想定速度 | 主な用途 | コニティの考え方 |
|---|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 既存の事務所に最も多く残っている規格 | 試験して問題がなければ、そのまま活かします。全部を張り替える前提にはしません。 |
| Cat6 | 1Gbps (10Gは短距離) | 島から壁までの新設配線、一般的な事務所の標準 | 新設の標準。10Gbpsは短い距離に限られるため、幹線には使いません。 |
| Cat6A | 10Gbps | ラック間の幹線、サーバーやNASへの接続 | 幹線と、将来10Gにしたい経路に。太く曲げにくいので、経路の設計が要ります。 |
| 光配線 | 10Gbps以上 | 100mを超える距離、棟をまたぐ接続、電気的に切り離したい経路 | 距離が届かないとき、雷や電位差が心配なときの選択肢です。 |
※ 速度は規格上の上限です。実際の速度は、スイッチ・端末・経路の状態で変わります。
アクセスポイントを足したのに改善しなかった、という相談をよくいただきます。電波は、同じ空間を全員で分け合う仕組みです。台数ではなく、重ならせないことが効きます。
| よくある症状 | 技術的な理由 | 設計での対処 |
|---|---|---|
| つながるが遅い | 2.4GHz帯は、電波が重ならない組み合わせが実質3つ(1ch・6ch・11ch)しかありません。近隣のWi-Fiや電子レンジとも取り合いになります。 | 5GHz帯を主に使う構成へ。2.4GHzは、古い端末や機械用に残す役割に切り替えます。 |
| 奥の部屋に届かない | 5GHz帯は速い代わりに、壁を通りにくい性質があります。コンクリート壁、金属の棚、水回りは特に減衰します。 | 1台の出力を上げるのではなく、出力を下げて台数を増やし、端末が近い1台につながるようにします。 |
| 歩くと切れる | 端末は、一度つかんだ電波が弱くなっても、なかなか手放しません(粘る動作)。 | 電波の重なり幅を設計し、次のアクセスポイントへ移りやすい状態をつくります。 |
| 会議中に突然切れる | 5GHz帯の一部は、気象レーダーなどを検知すると通信を止めて別のチャンネルへ移ります(DFS)。 | 会議室など切断が困る場所は、DFSの対象外のチャンネルを優先して割り当てます。 |
| 来客用と社内が同じ | 同じSSIDを共有していると、来客の端末から社内の共有フォルダやプリンターが見えてしまいます。 | SSIDを分け、VLANで来客をインターネットだけに出します。帯域の上限も分けられます。 |
PoE(Power over Ethernet)は、LANケーブル1本で通信と電源を同時に送る仕組みです。天井や壁の高い位置に電源がなくても、LANを1本引くだけでアクセスポイントや監視カメラを設置できます。電気工事を減らせるので、費用も工期も軽くなります。
給電の規格は3種類(IEEE 802.3af=15.4W/at=30W/bt=最大90W)。機器の消費電力と本数の合計から、スイッチ全体の給電容量に余裕があるかを確認してから選定します。足す予定の台数を先にうかがうのは、この計算のためです。
設置前に現地で電波を測り、設置後にもう一度測ります。数値が残っていれば、あとで「前より悪くなった」という話を、感覚ではなく比較で確認できます。
パソコン1台ずつの対策と、事務所の出入口での対策は別のものです。UTMは、社内と外の境界に置いて通信そのものを検査する機器です。
| 役割 | 業務用ルーター | UTM |
|---|---|---|
| 通信の振り分け | 担当します(経路の制御、VPN、複数回線の切替) | 機種により対応 |
| 出入口の遮断 | 基本的な遮断はできます | 担当します(不要な通信を細かく止める) |
| 中身の検査 | 行いません | 担当します(不正侵入の検知・遮断、ウイルス、危険なサイトの遮断、アプリの利用制限) |
| ログの保存 | 限定的 | 担当します(何が起きたかを後から追える) |
| 費用のかたち | 機器代が中心 | 機器代+年ごとのライセンス(更新しないと検査機能が止まります) |
UTMでいちばん多い問題は、機種選びではありません。ライセンスが切れて検査が止まっている、遮断のログを誰も見ていない、業務に必要な通信まで止めていて例外設定が積み上がっている——この3つです。
コニティは導入時に、何を止めて何を通す設定にしたかを書面で残します。更新の時期もお預かりして管理します。運用を任せきりにせず、「今どうなっているか」をいつでも答えられる状態にしておくのが、機器の性能より効きます。
複数の事務所を1つの社内ネットワークとしてつなぐ拠点間VPN、外出先や自宅から社内に入る接続も、同じ出入口の設計の中で考えます。「つながる」ことと「誰が入れるか」を分けて設定します。
機器の選び方と、工事を任せる相手の選び方。どちらも見るべきところは決まっています。他社にご依頼される場合も、この基準でご確認ください。
| 比べるところ | 家庭用 | 業務用(YAMAHA・CISCOほか) |
|---|---|---|
| 同時接続の耐性 | 台数が増えると急に不安定になります | 台数と通信量を想定して設計できます |
| 設定の再現性 | 画面で操作。控えが残りません | 設定を書き出して保存・復元できます。故障時は同じ設定をすぐ戻せます |
| 通信の分離 | ほぼできません | VLANで業務・カメラ・来客を分けられます |
| ログ | ほとんど残りません | 残ります。障害と原因を後から追えます |
| 故障したとき | 買い替え。設定はやり直し | 同型機に設定を戻して復旧。保守の窓口があります |
※ 業務用が常に正解ではありません。数名の事務所で分離もVPNも不要なら、家庭用で十分な場合もあります。必要のない機器はおすすめしません。
引いた線が規格を満たしているかは、測らなければ分かりません。書面で出せる会社を選んでください。
次に触る人(社内の担当者でも、別の業者でも)が分かる状態かどうか。ここで将来の費用が変わります。
「うちにしか分からない」状態は、お客様にとって不利です。設定は開示されるべき情報です。
1年後に3席増やすときに、また一式やり直しになる設計は避けます。空きポートと余長を最初に残します。
回線・機器・配線で窓口が分かれていると、切り分けの前に電話が増えます。一社で受けられるかを確認してください。
経路も既存の状態も見ずに出る金額は、あとで必ず動きます。調査のうえでお出しするのが原則です。
コニティは、監視カメラ・サイネージ・業務の自動化も同じ会社で手がけています。ネットワークは、その上で動くもの全部の土台です。カメラを載せる前提、サイネージを載せる前提で設計できることが、私たちの立ち位置です。
お問い合わせから引き渡しまで7つの工程です。それぞれの工程で「何が決まるか」と「お客様にご準備いただくこと」を先にお伝えします。
ご相談の内容と、調査にうかがう日程。図面がある場合は先に拝見して、当日の確認箇所を絞ります。
拠点の場所と広さ、おおよその人数、図面の有無、お困りの症状
既存の配線・ラック・スイッチ・回線の状態と、電波の実測。天井裏や床下の経路が使えるかも確認します。写真と現況図を残します。
ラックや分電盤のある場所への立ち入り、既存の契約書類(分かる範囲で)
情報コンセントの位置と本数、アクセスポイントの台数と位置、機器の構成、工程。金額は項目ごとに分けてお出しします。
机の配置の予定、増員の見込み、作業できない曜日や時間帯
機器の調達と、光回線の申込。回線は開通までに日数がかかるため、この工程を先に始めます。
回線契約の名義・お支払い情報、建物側への工事申請が必要な場合の連絡先
敷設、成端、ラベル、整線、そして1本ずつの配線試験。業務への影響が小さい時間帯をご相談のうえ実施します。
作業する区画の片付け、鍵の受け渡し方法、管理会社への届け出
ルーター・スイッチ・UTM・アクセスポイントの設定と、既存環境からの切替。切替で止まる時間を事前にお伝えします。
プリンターやサーバーなど、固定のアドレスを使っている機器の一覧
配線図・ラベル一覧・設定内容・試験結果をお渡し。以後の増設、障害時の切り分け、機器やライセンスの更新も承ります。
社内のご担当者(1名でも決めていただけると、その後が早くなります)
※ 期間は、規模と現地の条件(既存配線が使えるか、経路が確保できるか、回線の開通時期)で大きく変わります。確定した工程表は、現地調査のあとにお出しします。実際より短い日数を先にお約束することはしません。
機器は、規模と用途に合わせて選定します。特定のメーカーに寄せることはしません。既にお使いの機器を活かす構成も検討します。
拠点間VPN、複数回線の切替、IPoE接続。設定を書き出して保管できます。
VLANでの分離、リンクの束ね、ループ検知。幹線の速度に合わせて選びます。
LAN1本でアクセスポイントやカメラに給電。給電容量の余裕を見て選定します。
SSIDの分離、チャンネルの割り当て、複数台の一括管理に対応した機種を選びます。
出入口での遮断、不正侵入の検知、Webの制限、ログ保存。ライセンスも管理します。
パッチパネル、棚、電源タップ、換気。増設の余地を残した段組みにします。
Cat6・Cat6A、屋外用や難燃の線材、壁埋込・露出モールの部材。
100mを超える距離、棟をまたぐ接続、電気的に切り離したい経路に。
※ 監視カメラ・レコーダー・デジタルサイネージについては、それぞれの詳細ページをご覧ください。同じネットワーク上で動かす前提で設計します。
移転は、ネットワークをまとめて作り直せる数年に一度の機会です。ただし相談の時期を逃すと、選べる選択肢が減ります。順番だけ、先にお伝えします。
いちばん効くのがこの時期です。情報コンセントの位置と数は、机の配置とセットで決まります。壁の中や床下に線を通せるのは内装工事の途中だけで、終わってからでは露出のモール配線しか選べません。ラックを置く場所と、そこまでの電源も同時に決めます。
光回線の手配を始めます。申込から開通までには日数がかかり、建物の状況によっては追加の工事が必要になることもあります。現拠点の解約日と新拠点の開通日が離れていると、業務が止まる日ができます。ここは日付を並べて確認する作業です。
新拠点の配線工事と試験、機器の設定を先に済ませます。当日にやることを「運んで挿すだけ」に減らしておくのが、業務再開を早める唯一の方法です。プリンターやサーバーなど固定のアドレスを使う機器は、この段階で一覧にします。
機器の設置と接続、通信の確認、無線の再測定。当日の立会いも承ります。その場で出てくる「ここにも1口欲しい」に対応できるよう、余長と空きポートを残しておきます。
確認するのは3点です。上流のスイッチに空きポートがあるか、既存ラックからの距離が100mを超えないか、給電(PoE)の容量が足りるか。足りていれば、既存の作法のまま足せます。足りなければ、幹線から先に手を入れます。
ネットワーク工事の金額は、面積や社員数では決まりません。「何本引くか」と「その線をどこに通せるか」でほぼ決まります。お見積りは、次の4項目に分けてお出しします。
ルーター、スイッチ、アクセスポイント、UTM、ラックやパッチパネルなどの部材。
増減する要因台数、必要な口数、PoEの給電容量、VLANやVPNが必要かどうか
敷設、成端、情報コンセントの取り付け、整線、ラベル、配線試験。ここが最も大きく動きます。
増減する要因本数、1本あたりの距離、経路の難易度(天井裏・二重床が使えるか)、作業できる時間帯
現地調査、設計図面、機器の設定、既存環境からの切替、引き渡し資料の作成。
増減する要因拠点数、分離するネットワークの数、切替を業務時間外に行うかどうか
障害時の切り分けと対応、機器やライセンスの更新管理、設定変更や増設のご相談。
増減する要因対応の範囲、機器の台数、UTMのライセンス、拠点の数
面積ではなく本数で決まります。1席に1口か2口かで、総額はまったく変わります。将来の増員分をどこまで先に引くかも、ここで決める判断です。
天井裏や二重床が使えれば、作業は速く、見た目もきれいに収まります。使えない建物では露出のモール配線になり、手間と部材が増えます。
業務を止められない場所では、区画を分けて少しずつ進めます。安全ですが、その分の日数がかかります。休業日にまとめて行えれば短く済みます。
ネットワークは、その上で何を動かすかで設計が変わります。カメラを載せる前提、サイネージを載せる前提で組んだ例です。
ネットワークの構築とあわせて、経理・帳票まわりの定型業務の自動化、サイネージでの人数表示の自動化まで。表示や自動化が同じネットワークの上で動くため、土台から一社で設計しました。
院内と駐車場にあわせて17台のカメラを設置し、遠隔から見守れる状態に。17台の映像が業務の通信と取り合いにならないよう、載せる側のネットワークから考える必要のある構成です。
夜間診療の現場を支える監視カメラシステムの構築と運用。人が少ない時間帯に止まらないこと、止まったときに気づけることを前提にした設計です。
ネットワーク設計の流れを、1枚ずつ見ていきます。
どの機器がどこにつながっているのか。分からないまま足すと、あとで必ず困ります。
体感ではなく数字で見ます。回線か、機器か、無線か。原因は場所によって違います。
回線、ルーター、スイッチ、無線アクセスポイント。役割ごとに分けて置きます。
有線で通すところと、無線に任せるところを分けます。全部を無線にはしません。
拠点間をつなぐときの構成も設計します。全国27件のお客様の構築実績があります。
人と機器は増えます。増えたときに作り直しにならない余裕を見て決めます。
拠点の広さ・おおよその人数・図面の有無・お困りの症状をお知らせいただけると、お見積りを早くお出しできます。「何から相談すればよいか分からない」という状態のままでも構いません。
株式会社コニティ 北海道札幌市西区琴似1条5丁目1番24号 info@konity.co.jp
メールで相談する