設置場所から選ぶ
住宅・店舗・工場・駐車場など、場所ごとに起きやすいことと、それに向く構成をまとめました。似た条件のところをご覧ください。
戸建て住宅の防犯カメラ
住宅への侵入は、その多くが人目の少ない時間と場所を狙って起こります。侵入者は事前に下見をするといわれ、カメラの存在そのものが「狙いにくい家」の目印になります。1台から始められる構成で、まず玄関先を押さえるところからで十分です。

どこに付けるか
| 場所 | 狙い | 向くカメラ |
|---|---|---|
| 玄関・門 | 訪問者と侵入の記録。顔が映る高さに | バレット型/ドーム型・200〜500万画素 |
| 駐車場・車庫 | 車上狙い、いたずら、当て逃げ | 夜間カラー・広角 |
| 勝手口・裏口 | 人目につかない侵入経路 | バレット型+センサーライト |
| ベランダ・掃き出し窓 | 2階からの侵入、洗濯物の盗難 | ドーム型・軒下設置 |
台数と構成の目安
戸建てでは1〜4台が一般的です。最初から全方位を固めるより、玄関1台から始めて、気になる箇所を足していく進め方でかまいません。録画機は4chを選んでおけば、あとから3台まで増やせます。
住宅でよくある構成
- 1台構成: 玄関のみ。まず始めるならここ
- 2台構成: 玄関 + 駐車場
- 4台構成: 玄関 + 駐車場 + 勝手口 + ベランダ
- 録画機は4ch、HDD 1〜2TB、録画日数はおおむね2週間〜1か月
住宅ならではの注意点
気をつけること
- 隣家の窓・敷地が大きく映る向きは避ける(トラブルの元になります)
- 道路が映る場合は、必要な範囲に絞る。掲示も行う
- 設置の高さは2.5〜3m程度。低すぎると壊され、高すぎると顔が映らない
- 録画機は目につかない室内へ。持ち去られると記録ごと失われる
マンション・アパートの防犯カメラ
共用部は不特定多数が出入りし、居住者同士のトラブルも起きやすい場所です。記録があることで、犯罪の抑止だけでなく「言った・言わない」の解決にも役立ちます。管理組合での合意形成が必要になるため、資料づくりからご相談いただけます。

優先度の高い場所
| 場所 | 起きやすいこと | 備考 |
|---|---|---|
| エントランス | 不審者の侵入、無断立ち入り | 顔が映る高さと向きに |
| 駐輪場・バイク置き場 | 自転車盗、いたずら | 被害の相談が最も多い |
| ゴミ置き場 | 分別違反、外部からの投棄 | 住民トラブルの記録にも |
| 駐車場 | 車上狙い、当て逃げ | 夜間カラーが効く |
| メールコーナー | 郵便物の抜き取り | 小型カメラで足りる |
| エレベーター内 | 器物損壊、迷惑行為 | 専用の小型機種を使う |
管理組合での進め方
共用部への設置は総会での決議が必要になることが一般的です。「何台を、どこに、いくらで、何のために」を示した資料と、運用ルール(誰が映像を見られるか、何日保存するか)の案があると話が進みます。
合意形成で用意しておくもの
- 設置位置図と、各カメラが映す範囲の説明
- 見積書(機器・工事・保守の内訳)
- 運用規程の案(管理責任者・閲覧条件・保存期間・開示手順)
- 居住者向けの掲示文案
- 自治体の補助制度が使えるかの確認結果
プライバシーへの配慮
共用部といっても、各戸の玄関ドアが常時映る構図は嫌がられます。通路を撮る場合は、扉そのものではなく通行を捉える角度に調整し、撮影範囲を居住者に開示できる形にしておくことが、運用を続けるうえで結果的に一番の近道です。
店舗・小売の防犯カメラ
店舗では、外部からの被害(万引き・強盗)と、内部の記録(レジ操作・クレーム対応)の両方を1つのシステムで担うことになります。どちらを主目的にするかで、カメラの位置と画素数の配分が変わります。

押さえる4か所
| 場所 | 目的 | 推奨 |
|---|---|---|
| レジ | 金銭のやり取り、レジ操作、クレーム対応 | 800万画素・手元が映る角度 |
| 出入口 | 来店者の顔、退店の記録 | 500万画素・逆光対策(WDR) |
| 売り場 | 万引きの抑止、動線の把握 | 200〜500万画素・全方位も有効 |
| バックヤード | 在庫の持ち出し、勝手口 | 200万画素・夜間対応 |
万引き対策としてのカメラ
万引きは、死角のある場所で起きます。棚の高さ、什器の配置、柱の位置で死角は簡単に生まれるため、レイアウト変更のたびに映る範囲を見直すのが理想です。「カメラがある」と分かる位置に見せて付けることも、抑止としては有効です。
売り場で死角になりやすい場所
- 背の高い棚の裏側、行き止まりの通路
- 試着室の前、トイレの入口付近
- 柱の陰、非常口の周辺
- レジから見えない角度の平台
従業員への配慮
店舗のカメラは従業員も映します。設置の目的を事前に説明し、就業規則や掲示で周知しておくことで、余計な不信感を避けられます。休憩室・更衣室には設置しません。
事務所・オフィスの防犯カメラ
事務所では、外部からの侵入対策に加えて、重要書類・金庫・サーバーといった資産のまわりの記録が目的になります。従業員のプライバシーに配慮した画角設計が特に重要な場所です。

設置する場所と目的
| 場所 | 目的 |
|---|---|
| 出入口 | 入退の記録。誰が何時に出入りしたか |
| 受付 | 来訪者の記録、無人受付の対応 |
| 金庫・書庫 | 資産と重要書類のまわり |
| サーバールーム | 機器への物理的なアクセスの記録 |
| 搬入口・裏口 | 夜間・休日の侵入 |
執務スペースの扱い
机に向かう従業員を常時撮る構図は、労務上の問題になりやすく、職場の雰囲気にも影響します。執務スペースを撮る場合は、個人の作業内容が分かる画角を避け、出入口や通路の通行を捉える向きに調整します。設置の目的と範囲は必ず事前に周知してください。
事務所での基本方針
- 更衣室・休憩室・トイレ周辺には設置しない
- 執務席の画面が読める画角にしない
- 設置目的・保存期間・閲覧者を文書化して周知する
- 映像を見られる人を限定し、閲覧の記録を残す
工場・倉庫の防犯カメラ
事業所では防犯だけでなく、搬入出の記録、構内での事故の状況確認、在庫トラブルの検証といった「業務の記録」としての役割が大きくなります。24時間稼働の現場では、録画日数の設計が特に重要です。

押さえる場所
| 場所 | 目的 | 備考 |
|---|---|---|
| 搬入口・出荷口 | 入退の記録、誤出荷の検証 | 車両のナンバーまで狙うなら高画素 |
| 構内通路 | フォークリフトと人の交錯、事故時の確認 | 広角・全方位 |
| 資材置き場 | 夜間の持ち去り | 夜間カラー+AI検知 |
| 危険箇所 | 労災発生時の状況確認 | 常時録画 |
| 外周・フェンス際 | 侵入の早期検知 | ライン越え検知 |
広い構内をどうカバーするか
敷地が広いほど、固定カメラだけで埋めようとすると台数が膨らみます。全体を全方位カメラやPTZで押さえ、要所だけ固定カメラで確実に撮る、という組み合わせが現実的です。電源と配線の経路も費用に直結するため、PoEやSIMカメラを含めて設計します。
録画日数を長めに取る理由
事業所では、問題が発覚するまでに時間がかかることがあります。在庫の不足、取引先からの指摘、保険の手続きなどは、数週間経ってから遡ることが珍しくありません。「1か月は遡れる」構成にしておくと、対応で困りません。
事業所での設計の目安
- 録画日数は30日以上を基本に容量を計算する
- 夜間はAI検知で人・車だけを通知し、誤報を減らす
- 録画機は施錠できる場所に置き、電源はUPSで保護する
- 既設カメラがあれば流用の可否を現地で判断する
駐車場・資材置き場の防犯カメラ
屋外の広い敷地で、夜間に人けが無くなる場所です。当て逃げ、車上狙い、資材や燃料の持ち去りといった被害が起きやすく、電源や回線が無いことも多いため、構成の工夫が要ります。

何を狙うかで機種が変わる
| 目的 | 必要なこと | 推奨 |
|---|---|---|
| ナンバーを読みたい | 高画素+絞った画角 | 800万画素・望遠寄りのレンズ |
| 敷地全体の動きを残したい | 広角+夜間性能 | 500万画素・夜間カラー |
| 侵入したら知らせたい | AI検知+通知 | 人物・車両検知つき |
| 電源も回線も無い | 単体で動く構成 | SIMカメラ+ソーラー |
夜間の映り方が結果を分ける
駐車場の被害はほぼ夜間に起きます。赤外線の白黒映像では車体の色が分からず、照合の手がかりが減ります。街灯がある場所なら夜間カラー対応のカメラで、色を残す構成にしてください。街灯が無い場所は、センサーライトの追加が費用対効果の高い対策です。
設置と配線の現実
屋外で気をつけること
- ポール設置は風の影響を受ける。揺れると映像が使えない
- 屋外の配線は防水処理を確実に。コネクター部から水が入る
- 落雷対策(避雷器)を検討する。屋外配線は雷の影響を受けやすい
- カメラ本体に手が届く高さだと、向きを変えられたり壊されたりする
医療・福祉施設の防犯カメラ
利用者・患者のプライバシーが最も重い場所です。「撮ってよい場所」と「撮ってはいけない場所」の線引きを最初に決めることが、機種選びよりも先に来ます。

撮る場所・撮らない場所
| 区分 | 場所 | 考え方 |
|---|---|---|
| 設置する | 出入口・受付・待合 | 外部からの侵入と、受付でのトラブル記録 |
| 設置する | 駐車場・夜間通用口 | 夜間の安全確保 |
| 設置する | 薬品庫・金庫 | 資産と管理義務のあるものの周辺 |
| 慎重に | 廊下 | 居室の入口が常時映らない角度に |
| 設置しない | 診察室・処置室 | 医療行為そのものは記録対象にしない |
| 設置しない | 居室・浴室・トイレ | 例外なく |
職員と利用者への説明
設置の目的、映る範囲、保存期間、誰が見られるかを文書にし、掲示と説明を行ってください。「安全のため」という漠然とした説明ではなく、具体的に何を防ぐためかを示したほうが、理解を得やすくなります。
運用で決めておくこと
- 管理責任者を1人決める
- 映像を見られる職員を限定し、閲覧の記録を残す
- 保存期間を定め、期間経過後は自動で上書きされる設定にする
- 外部への提供は原則として法令に基づく請求があった場合に限る
教育施設の防犯カメラ
校門・通用口といった外部との境界を押さえることが中心になります。在校時間帯と夜間・休日で運用が変わる点が、他の施設と違うところです。

設置する場所
| 場所 | 目的 |
|---|---|
| 校門・通用口 | 外部からの侵入の記録。登下校時の見守り |
| 敷地の外周 | 夜間・休日の侵入、フェンス越えの検知 |
| 体育館・特別教室の入口 | 備品の持ち出し、休日の無断使用 |
| 駐輪場 | 自転車の盗難・いたずら |
| 職員玄関・事務室前 | 夜間の侵入 |
時間帯で運用を変える
在校時間帯は児童・生徒が常時映るため、記録の扱いに配慮が要ります。一方、夜間・休日は無人になるため、人が映ったら通知するAI検知が有効に働きます。時間帯によって検知設定を切り替える運用にしておくと、余計な通知を出さずに済みます。
保護者・地域への周知
学校のカメラは、保護者と地域の理解が前提になります。設置の目的、映る範囲、保存期間を、文書とウェブサイトで公開しておくことが望ましい対応です。自治体によっては、通学路への設置に補助制度があります。
農地・果樹園の防犯カメラ
収穫期の農作物盗難、農機具や燃料の持ち去り、資材置き場への不法投棄。被害が起きやすい一方で、電源も通信回線も無いことが多く、「そもそも設置できない」という壁にぶつかりやすい現場です。

電源と回線をどうするか
| 現地の条件 | 構成 | 備考 |
|---|---|---|
| 電源あり・回線なし | SIMカメラ(4G-LTE) | 最も多い構成。電波の確認が必須 |
| 電源なし・回線なし | SIMカメラ+ソーラー+バッテリー | 常時録画は避け、検知時のみ動作 |
| 電源あり・回線あり | 通常のIPカメラ | 納屋・作業場が近い場合 |
| 短期間だけ | トレイルカメラ | 電池式。収穫期だけの設置に |
どこに向けるか
畑全体を映そうとすると、人が小さすぎて判別できません。農道からの出入口、資材置き場、農機具の格納場所といった「必ず通る場所」を1点押さえるほうが効果的です。車両が入る現場なら、ナンバーが読める画角を1つ確保しておくと、被害があったときの手がかりになります。
農地での設置ポイント
- 出入口となる農道の1点に絞る
- 車両が入る場所はナンバーが読める画角を確保
- 検知時のみ通知する設定にして、見回りの負担を減らす
- 「防犯カメラ作動中」の掲示を併用する(不法投棄に特に有効)
- 収穫期だけの設置や移設もできる構成にしておく
電波の事前確認は必須
SIMカメラは、その場所で携帯電話の電波が入らなければ機能しません。山あいや谷間では、少し離れただけで圏外になることがあります。設置候補地でスマートフォンの電波状況を確認するところから始めてください。
建設現場の防犯カメラ
工期のあいだだけ設置し、終わったら次の現場へ移す、という使い方をします。資材・重機の盗難対策に加えて、工事の進捗記録や安全管理にも使われます。

現場カメラの前提
建設現場は、電源も通信も仮設です。工事の進行に合わせて建物の形が変わるため、設置位置も途中で変えることになります。配線を建物に固定する前提の構成は向かず、SIMカメラのように「持って動かせる」構成が合います。
現場で選ばれる構成
- SIMカメラ(4G-LTE)+仮設電源、または ソーラー
- 工期に合わせたレンタル(終了時に撤去・返却)
- 資材置き場・ゲート・仮囲いの出入口を優先
- 夜間・休日はAI検知で通知、平日昼間は通知を切る
防犯以外の使い道
- 工事の進捗を遠隔で確認する(発注者への報告にも使える)
- 資材の搬入時刻・数量の記録
- 危険作業の記録(安全管理・是正の資料として)
- 近隣からの苦情に対する事実確認
近隣への配慮
仮囲いの外、つまり公道や隣地が映る向きになりやすい現場です。撮影範囲は必要最小限に絞り、「防犯カメラ作動中」の掲示を仮囲いに出しておいてください。
ご相談・お見積りは、お問い合わせページから承ります。
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