自動化できる仕事
毎日・毎月くり返している手作業のうち、どれが自動化に向いているかを仕事の種類ごとにまとめました。似た作業が見つかれば、そのまま置き換えられます。
転記작業の自動化
あるシステムの画面を見ながら、別のシステムやExcelへ打ち直す作業です。RPAで最も効果が出やすく、最初に手をつけるならここから始めます。人がやると必ず打ち間違いが出る一方、機械は同じ手順を疲れずに繰り返します。

よくある転記作業
- 受注メールの内容を販売管理システムへ入力する
- 取引先から届いたExcelを自社の様式へ入れ直す
- Webの管理画面から数字を拾ってExcelへ貼る
- 紙やPDFの伝票を見ながらシステムへ入力する
- 複数のシステムに同じ情報を二重登録する
向いている条件
| 条件 | 向く | 向かない |
|---|---|---|
| 手順 | 毎回同じ | 毎回判断が変わる |
| 件数 | 月に何十件以上 | 月に数件 |
| 入力元 | 決まった様式 | 書式がばらばら |
| 判断 | ルールで書ける | 人の経験が要る |
| 画面 | 変わらない | 頻繁に改修される |
始め方
まず、いまの手順を1回分そのまま見せてください。画面を録画するか、実際の操作を横で見せていただければ、自動化できる範囲と、人が残る部分の線引きができます。全部を機械にしようとせず、判断が要る部分は人に残すのが長続きするやり方です。
最初に決めること
- どこからどこまでを機械にやらせるか
- 例外(様式が違う、項目が空)が来たらどうするか
- いつ動かすか(手動で起動か、時刻で自動か)
- 結果をどう確認するか(件数の突合、エラーの通知先)
集計・レポート作成の自動化
毎月・毎週、決まった資料を作るために、複数のファイルを開いて、貼って、計算して、体裁を整える。この一連の作業は手順が決まっているので、機械に任せやすい仕事です。

よくある集計作業
- 各拠点から届くExcelを1つにまとめて集計する
- 販売管理システムからCSVを落として月次資料を作る
- Webの管理画面から数字を拾って報告書にする
- 前月比・前年比を計算してグラフを作る
- できた資料をPDFにして関係者へ配る
手作業のままだと起きること
よくある困りごと
- 担当者しか手順を知らず、休むと止まる
- 貼り間違い・範囲の取り違えに気づかない
- 毎月同じ作業に半日〜1日取られる
- 様式を変えたいのに、作り直す余力がない
- 元データが増えると、作業時間も比例して増える
自動化したあとの姿
決めた時刻に自動で動き、できた資料が指定の場所に置かれ、関係者へ通知が届く、という形が基本です。元データに不備があった場合は止めて知らせる仕組みも入れます。「気づかないまま間違った資料が配られる」ことは避けなければなりません。
サイネージや画面への表示
集計した数字を、事務所や現場のディスプレイに自動で出すこともできます。コニティはデジタルサイネージも手がけているため、「集計 → 表示」までひと続きでご相談いただけます。
情報収集の自動化
決まったサイトを毎日見て、必要な情報を拾って記録する作業です。見る先が決まっていて、拾う項目も決まっているなら、機械に任せられます。

よくある収集作業
- 取引先や競合のサイトを定期的に確認する
- 入札情報・公示情報を毎日チェックする
- Webの管理画面から在庫や受注の状況を取り出す
- 複数のサイトから価格や仕様を集めて一覧にする
- 更新があったときだけ通知を受け取る
集めたあとをどうするか
集めることが目的になると続きません。集めたものを、どこに、どういう形で残し、誰が見るのかまで決めてから作ります。多くの場合、Excelかデータベースに貯めて、変化があったときだけ通知する形に落ち着きます。
気をつけること
収集を自動化するときの注意
- 相手のサイトに負担をかけない間隔で動かす
- 利用規約で自動取得が禁止されていないか確認する
- 画面の作りが変わると止まる。直せる形にしておく
- 取得できなかったときに気づける仕組みを入れる
- 個人情報にあたるものを集めない
帳票作成・PDF処理の自動化
見積書・請求書・納品書を、データから自動で作る作業です。またPDFで届く書類から必要な項目を取り出す作業も、ここに含まれます。

作る側の自動化
- 受注データから見積書・請求書を一括で作る
- 決まった様式のExcelへ差し込んでPDFにする
- 取引先ごとに違う様式へ振り分ける
- できたPDFをメールに添付して送る
- 控えを決まったフォルダに保存して台帳へ記録する
読み取る側の自動化(OCR)
PDFや紙で届く注文書・請求書から、必要な項目を取り出す作業です。様式が決まっている書類ほど精度が出ます。様式がばらばらの場合は、読み取り結果を人が確認する工程を残すのが現実的です。
OCRを使うときの前提
- 同じ取引先・同じ様式の書類が繰り返し届くか
- 読み取れなかったときに人が直せる画面を用意するか
- 金額など、間違うと困る項目は必ず確認工程を入れる
- 手書きは精度が落ちる。活字の書類から始める
電子帳簿保存法との関係
電子で受け取った請求書などは、電子のまま保存する必要があります。保存の要件(検索できること、改ざん防止)を満たす形でファイル名や保存先を決めるところまでを含めてご相談いただけます。
通知・連絡の自動化
「条件に当てはまったら知らせる」という仕組みです。見落としを防ぐ用途で、費用のわりに効果が分かりやすい自動化です。

よくある通知
- 在庫が一定を下回ったら担当者へ知らせる
- 期限が近づいた案件を毎朝まとめて知らせる
- システムのエラーを検知して担当者へ知らせる
- 決まった時刻に処理が終わっていなければ知らせる
- 特定の条件の受注が入ったら上長へ知らせる
通知先の選び方
| 通知先 | 向いている場面 | 注意 |
|---|---|---|
| メール | 記録を残したい。件数が少ない | 埋もれやすい |
| チャット | すぐ気づいてほしい | 多すぎると見なくなる |
| 画面表示 | 現場全員に知らせたい | その場に居ないと見えない |
| 一覧に貯める | あとでまとめて処理する | 気づくきっかけが別に要る |
通知を増やしすぎない
通知が多すぎると、やがて誰も見なくなります。「毎回来るもの」ではなく「異常なときだけ来るもの」に絞るのが基本です。定常の報告は、通知ではなく一覧や画面表示にしてください。
照合・チェックの自動化
2つの表を突き合わせて、合っているか確かめる作業です。人がやると見落としが起き、しかも見落としたことに気づけません。機械なら全件を同じ基準で確認できます。

よくある照合作業
- 受注データと請求データを突き合わせる
- 銀行の入金明細と売掛の台帳を照合する
- 在庫の理論値と実棚卸を突き合わせる
- 複数システムのマスタが一致しているか確認する
- 入力内容がルールに沿っているかを点検する
照合は「差分の出し方」で決まる
全件が一致していることを確認するより、「合わないものだけを出す」ほうが実務では役に立ちます。何をもって一致とみなすか(金額の丸め、表記ゆれ、日付のずれ)を先に決めておく必要があります。
先に決めること
- どの項目で突き合わせるか(キーになる項目)
- 表記ゆれをどう扱うか(全角半角、スペース、法人格)
- 金額の端数・丸めをどう扱うか
- 差分が出たときに誰が見るか
- 許容してよい差(1円未満など)があるか
受発注業務の自動化
メール・FAX・Webの管理画面と、社内システムのあいだをつなぐ作業です。取引先ごとに手順が違うため、1社ずつ順に自動化していく進め方になります。

つまずきやすい点
受発注は、取引先ごとに様式も届き方も違います。「全部まとめて自動化」は現実的ではありません。件数の多い取引先から1社ずつ着手し、動くものを増やしていく形が確実です。
進め方の順番
| やること | ねらい | |
|---|---|---|
| 1 | 取引先ごとの件数を数える | 効果の大きいところから着手する |
| 2 | 件数の多い1社を自動化する | 小さく作って動かしてみる |
| 3 | 1か月運用して例外を洗い出す | 想定外のパターンを集める |
| 4 | 例外の扱いを決めて作り込む | 止まらない形にする |
| 5 | 次の取引先へ横展開する | 型ができたので早く進む |
例外を人に残す
機械に任せないほうがよいもの
- 値引き・特価の判断
- 納期の調整が必要な注文
- 様式が毎回違う取引先
- 金額が一定以上の注文(確認工程を残す)
- 初めての取引先
勤怠・総務業務の自動化
毎月決まった時期に発生する、人事総務まわりの手作業です。件数が読めて手順も決まっているため、自動化の対象になりやすい仕事です。

よくある作業
- 勤怠システムから出力して給与システムへ取り込む
- 残業時間が基準を超えた人を抽出して知らせる
- 有給の残日数を集計して一覧にする
- 入退社にともなうアカウントの作成・停止
- 各種届出書類の作成と回付
アカウント管理の自動化
入退社のたびに、メール・グループウェア・業務システム・パソコンの設定を1つずつ手作業で行っていませんか。手順書があるなら、その手順はそのまま自動化できます。特に退職時の停止漏れは情報漏えいにつながるため、自動化して確実にする価値が大きい作業です。
個人情報の扱い
人事データを扱うときの決めごと
- 処理する端末とアカウントを限定する
- 処理の途中で作る中間ファイルを残さない
- ログに個人情報を書き出さない
- 誰が動かしたかの記録を残す
- テストには本物のデータを使わない
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