ご利用ガイド(選び方・配信・工事・保守)
パネルの選び分けから、配信のしくみ(CMS)、コンテンツの作り方、設置工事と届出、保守までを順にまとめています。
デジタルサイネージの選び方
先に決めるのは「どこに置いて、誰に、何を見せるか」の3つです。機種はそこから逆算して決まります。カタログから選び始めると、明るさが足りない、素材が作れない、更新が続かない、のどれかで止まります。

1. 置く場所の明るさを測る
同じ画面でも、周囲が明るいほど見えなくなります。屋内でも窓際は屋外に近い明るさになるため、輝度の高い機種が要ります。設置候補の場所で、時間帯を変えて明るさを確認するところから始めます。
| 設置場所 | 必要な輝度の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般的な屋内 | 300〜500 cd/m² | オフィス・店内・待合 |
| 明るい屋内・窓際 | 700〜1500 cd/m² | エントランス、ガラス面の近く |
| 半屋外(軒下) | 1500〜2500 cd/m² | 防塵防水も要る |
| 屋外・直射日光 | 2500〜3500 cd/m² 以上 | 屋外専用機かLEDビジョン |
2. 画面の大きさと視距離
見る人までの距離で必要な画面サイズが決まります。目安として、画面の高さの4〜6倍が見やすい距離です。逆に言えば、5m離れて見るなら画面の高さは1m前後が要ります。
| 視距離 | 推奨サイズ | 使いどころ |
|---|---|---|
| 1〜2m | 32〜43型 | レジ横、棚前、受付カウンター |
| 2〜4m | 43〜55型 | 店内、待合、エントランス |
| 4〜7m | 55〜75型 | 広いロビー、フロア案内 |
| 7m以上 | 86型以上 / LEDビジョン | 大空間、屋外 |
3. 縦置きか横置きか
人が縦に並ぶ場所(通路・入口)は縦置き、情報を並べる場所(フロア案内・複数の告知)は横置きが向きます。重要なのは、決めた向きで素材を作る必要があるという点です。あとから向きを変えると、素材を作り直すことになります。
4. 更新をどうするか
台数が1〜2台で、更新も月に数回なら、USBメモリで差し替える運用で足ります。台数が増える、または更新が頻繁なら、配信システム(CMS)を入れて事務所からまとめて切り替えられるようにします。
よくある失敗
- 明るさが足りず、昼間はほとんど見えない
- 小さすぎて、離れると文字が読めない
- 更新する人が決まっておらず、古い内容が出続ける
- 素材を作る手間が想定外で、結局静止画1枚のまま
- 屋内用を軒下に置いて、雨と温度で故障した
パネルの種類と選び分け
デジタルサイネージの表示装置は、大きく液晶(LCD)とLEDビジョンに分かれます。どちらを選ぶかは、大きさと設置環境でほぼ決まります。

液晶ディスプレイ(LCD)
1枚のパネルで完結する、最も一般的な方式です。43型から98型程度まであり、細かい文字も表示できます。屋内であればこれが第一候補になります。業務用の機種は、長時間の連続表示に対応し、縦置きにも対応しています。
業務用と家庭用テレビの違い
- 連続稼働時間(業務用は16〜24時間の連続表示を想定)
- 縦置き対応(家庭用テレビは縦にすると熱がこもる)
- 輝度(業務用のほうが明るい)
- 外部制御(電源の自動オン/オフ、スケジュール)
- 保証(業務用途での使用が保証対象になる)
LEDビジョン
小さなLEDパネルを並べて1つの画面にする方式です。大きさを自由に決められ、屋外の明るさにも負けません。画素ピッチ(LEDの間隔)が細かいほど近くで見てもきれいですが、価格が上がります。
| 画素ピッチ | 適した視距離 | 使いどころ |
|---|---|---|
| P1.2〜P1.8 | 2〜4m | 屋内・会議室・ロビー |
| P2.5〜P3 | 3〜6m | 屋内の大型表示 |
| P4〜P6 | 5〜12m | 半屋外・大型 |
| P8〜P10 | 10m以上 | 屋外の大型ビジョン |
電子黒板(インタラクティブディスプレイ)
画面に直接書き込める、双方向のディスプレイです。会議室・教室で使われ、資料を映しながら書き込む、書いた内容をそのまま保存する、といった使い方をします。サイネージとしても使えるため、会議室兼案内板という導入もあります。
サイネージプレーヤー(STB)
パネルに映す内容を再生する装置です。パネルに内蔵されている機種もあれば、外付けの箱を使う構成もあります。配信システムと組み合わせる場合は、対応するプレーヤーを選びます。
配信のしくみ(CMS)
「何を、いつ、どの画面に出すか」を管理する仕組みです。台数が増えるほど、ここを入れるかどうかで運用の手間が変わります。

3つの配信方式
| 方式 | しくみ | 向いている規模 |
|---|---|---|
| USB差し替え | USBメモリに素材を入れて挿す | 1〜3台、更新が月数回 |
| ローカル配信 | 館内のパソコンから配信 | 同一建物内の複数台 |
| クラウド配信 | インターネット経由でどこからでも | 複数拠点、頻繁な更新 |
クラウド配信でできること
- 事務所から全拠点の画面をまとめて切り替える
- 時間帯・曜日でコンテンツを自動で出し分ける
- 画面が正常に映っているかを遠隔で確認する
- 拠点ごと、画面ごとに違う内容を出す
- 掲載期限を設定して、期限切れを自動で下ろす
選ぶときの確認事項
配信システムの確認点
- 月額費用が画面1台あたりか、契約単位か
- 対応する素材の形式(静止画・動画・PowerPoint・Web)
- スケジュール設定の細かさ(曜日・時間・期間)
- 遠隔での稼働確認ができるか
- ネットワークが切れたときに何が表示されるか
- 操作する人が何人いても料金が変わらないか
ネットワークの準備
クラウド配信を使う場合、各画面がインターネットにつながっている必要があります。有線が理想ですが、配線が難しい場所ではWi-FiやLTEを使います。動画を頻繁に差し替える場合は帯域も見ておく必要があります。ネットワークの設計から一緒にご相談ください。
コンテンツの作り方
機器を入れても、映すものが無ければ意味がありません。導入でつまずくのは、実はここが一番多い箇所です。

続けられる形から始める
凝った動画を作ろうとすると、最初の1本で力尽きます。まずは静止画の差し替えから始めて、更新が回るようになってから動画を足すのが現実的です。「毎週更新できる形」を先に決めてください。
画面設計の基本
見てもらうための決まりごと
- 1画面に1つのことだけ書く(詰め込むと読まれない)
- 文字は大きく。画面の高さの1/12以上を目安に
- 背景と文字のコントラストを十分に取る
- 表示は10秒以上(通行人が読み切れる時間)
- 連絡先やQRコードは画面の下1/3に置く
- 縦置きなら縦の素材を作る(横素材の使い回しは余白だらけになる)
素材の作り方
| 作り方 | 手間 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| PowerPointで作る | 小 | 社内に作れる人がいる。差し替えが多い |
| テンプレートを用意して差し替え | 小 | 毎週更新する。担当が変わる |
| デザイン会社に依頼 | 大 | 店頭など、見た目が売上に直結する |
| 外部データを自動表示 | 中 | 天気・ニュース・生産実績など |
テンプレートを用意しておく
「誰でも差し替えられる型」を最初に作っておくと、運用が続きます。写真の枠と、文字の枠だけが決まっているPowerPointの型を用意し、中身を入れ替えるだけで完成する形にしておくのがお勧めです。
設置方式と工事
壁掛け、自立スタンド、天吊り、埋め込み。見た目だけでなく、電源・配線・保守のしやすさで選びます。

設置方式の比較
| 方式 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 壁掛け | すっきり収まる。省スペース | 壁の下地・耐荷重の確認が要る |
| 自立スタンド | 工事が少ない。移動できる | 床面積を取る。転倒対策が要る |
| 天吊り | 通路の上など、床を使わない | 構造の確認と、保守の足場が要る |
| 埋め込み | 内装に馴染む | 内装工事とセット。あとから変更しにくい |
| 屋外スタンド | 屋外に単独で置ける | 基礎工事・電源の引き込みが要る |
壁掛けで確認すること
工事前の確認
- 壁の材質と下地の位置(石膏ボード単体には付けられない)
- パネルの重量(65型で30kg前後、86型で60kg前後)
- 電源の位置(背面に隠せるか、露出配線になるか)
- ネットワークの引き回し(有線かWi-Fiか)
- 保守のときに外せるか(金具の種類)
電源とネットワーク
設置場所にコンセントが無いことは珍しくありません。電源工事が必要になると、費用も工期も変わります。候補の場所を決める段階で、電源とネットワークの位置を一緒に確認してください。コニティはネットワーク工事も行うため、まとめてお引き受けできます。
工事の流れ
現地を拝見し、設置方式・配線経路・電源を確認したうえでお見積りします。営業中の店舗であれば、閉店後や定休日の工事にも対応します。
法令と設置の届出
屋外に設置する場合、屋外広告物条例の対象になることがあります。設置してから指摘を受けると、撤去や作り直しになります。

屋外広告物条例
屋外に向けて表示する広告物は、自治体の条例で規制されています。大きさ、設置できる場所、色や明るさに制限があり、許可申請が必要な場合があります。札幌市にも屋外広告物条例があり、地区によって基準が異なります。屋外設置を検討される場合は、計画の段階でご相談ください。
確認しておくこと
- 設置場所がどの地区(規制の区分)に当たるか
- 表示面積の上限を超えないか
- 許可申請が必要か、期間と更新はどうか
- 光の明るさ・点滅に関する制限があるか
- 景観条例の対象地区でないか
光害・近隣への配慮
屋外のサイネージは、夜間に周囲へ光を出します。近隣の住宅の窓に向かないこと、夜間は輝度を下げるスケジュールを組むことをお勧めしています。点滅や急激な動きは、運転者の注意をそらすため避けてください。
音声を出す場合
屋外で音声を出す場合は、騒音の規制がかかることがあります。原則として、屋外向けのサイネージは音を出さない設計にしています。
コンテンツの権利
映す素材にも権利があります。写真・音楽・フォントは、業務利用が許可されたものを使ってください。人物が写る場合は、本人の同意が要ります。
保守・点検
サイネージは、映らなくなっていても誰も報告してくれません。気づいたら1か月消えていた、というのは実際に起きます。

止まる原因
| 原因 | 起きること | 気づき方 |
|---|---|---|
| プレーヤーの停止 | 黒画面・エラー表示 | 遠隔監視、または目視 |
| ネットワーク切断 | 古い内容が出続ける | 配信システムの状態表示 |
| 電源スケジュールのずれ | 営業時間に消えている | 目視 |
| パネルの焼き付き | 同じ表示の跡が残る | 目視 |
| 屋外機の温度異常 | 保護停止 | 遠隔監視 |
焼き付きを避ける
同じ画像を長時間出し続けると、その跡が画面に残ることがあります。定期的に内容を切り替える、全画面が動く素材を混ぜる、夜間は電源を落とす、といった運用で避けられます。
定期点検で見ること
点検項目
- 映っているか、内容が最新か
- 画面の汚れ・焼き付き・ドット欠け
- 取付金具の緩み(特に壁掛け・天吊り)
- 屋外機は防水部分の劣化とファンの動作
- 電源スケジュールが意図どおりか
- 配信システムの状態表示
遠隔での確認
ネットワークにつながっていれば、画面が正常に映っているかを離れた場所から確認できます。拠点が複数ある場合や、無人の場所に置いている場合は特に有効です。
導入の流れ
現地を見ないまま機種と金額を出すことはしません。明るさ、視距離、電源、配線経路は、行ってみないと分からないためです。

6つの工程
| 工程 | 内容 | |
|---|---|---|
| 01 | ご相談 | お問い合わせページからご連絡ください。何を見せたいかを伺います |
| 02 | 現地調査 | 設置場所の明るさ・視距離・電源・配線経路を確認します |
| 03 | ご提案・お見積り | 機種・設置方式・配信のしくみ・工事内容を書面でお出しします |
| 04 | 設置工事 | 取り付け・配線・初期設定。営業時間に合わせて日程を組みます |
| 05 | 運用の準備 | 素材の型づくり、更新のしかたのご説明 |
| 06 | 保守・点検 | 定期点検と遠隔での稼働確認 |
現地調査で見ていること
調査項目
- 時間帯ごとの明るさ(特に窓からの日射)
- 見る人までの距離と、通行の向き
- 壁の下地・耐荷重、または床の状況
- 電源の位置と、増設の要否
- ネットワークの引き回し
- 保守のときに手が届くか
運用の準備までがひと区切り
機器を設置して映すところまでが工事ですが、そのあと「誰がどうやって更新するか」が決まっていないと、数か月で古い内容のまま止まります。差し替えの手順書と、素材の型をお渡しするところまでを一区切りにしています。
ご相談・お見積りは、お問い合わせページから承ります。
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